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2010年06月 アーカイブ

政治機能

社会学・人類学に源を発する機能・構造主義structural-functionalismは政治学に新たなるフロンティアを開拓するための有効な武器を与えました。

これは、政治システム内部のそれぞれの政治構造が演じる基本的機能の理解を通じて全政治システムを研究しようとする方法です。

このアプローチは、

(1)どんな政治システムにあってもシステムを維持しようとする限り必らず演じられなければならない機能が存在する、という仮説と、

(2)全政治システムの一部としてすべての機能・すべての構造は窮極的には相互依存的な性格を有している、という仮説に依拠しています。

例えば、政党を考えてみます。

政党は、国民の要求・利益・意思を政治的決定作成過程に伝達したり、政治的係争点に関する情報を有権者に提供し政治教育を行なったり、ポリティカル・リーダーを選出したりするという機能を演じます。

もちろんこれらは政党の演じるすべての機能ではありません。

構造です。

政党というシステム内の構造は、このような機能の遂行を通じて他の構造に影響を与え、またシステム維持に貢献しています。

しかし、政党以外の構造例えば圧力団体フォーマルな政府機構マスメディアなども、上に述べた機能を程度の差こそあれ演じているかもしれません。

実際、政党が存在しない政治システムにあっても政党が演じる機能を代行する構造が必らず存在するはずなのです。

政治機能 その2

ここでは、機i能分析の指導的研究者であるGabrielAlmond、William.C.Mitchell、StephellVMollsma、および、MarianD.IrishalldJames、W.Prothroの研究を中心に政治機能について説明してみます。.

(1)機能

機能主義分析の基礎をなす機能という概念をどう定義すればよいのか。

その本質を目標・動機としてとらえるのか過程としてとらえるのか。

それとも結果としてとらえるのか。

DonMartindaleは、研究者によって使用されているfunctionなる語を次の4つに大別しています。

(1)数学的な意味の関数function
(2)有用な活動としての機能
(3)妥当な活動としての機能
(4)体系決定的および体系維持的活動としての機能、の4つである(D.Martindale、新睦人他訳、1971).


ここでは(3)(4)の概念が重要です。

なぜなら、われわれの関心は政治システムにおいて構造Aが条件Bの下でいかなる基本的機能Cを演じているかを知ることにあるからです。

(1)の数学における関数として考える定義は政治システム内部で展開されるすべての政治機能・政治構造の関係パターンが数学的関係を持っていることを前提としますが、A、B、Cの関係に含まれる変数の複雑さ、微妙さに着目すればそれがいかに困難であるかわかります。

実際、そうした試みもいくつか行なわれていますが、現在のところ成功を収めた例を見出すには至っていません。

第(2)の定義、すなわち「有用な活動としての機能」定義は、欲求充足・目的実現を前提としています。

しかし、目的・動機の過度の重視は政治現象の分析においてはかえって問題を複雑にします。

例えば、第(2)の定義からすれば権威的な決定作成機構によって作成された法律の機能は、その決定作成機構が法案を通過させる時達成しようとした目的を明確にすることによって、始めて決定されうるということになります。

しかし、法律の実際的機能は必らずしも法律の本来の意図された目的と同じであるとは限らないことは経験的にも理解できましょう。

機能の本質は目的・動機としてより結果としてとらえられた方が政治分析においては望ましいのです。

その方が理解を容易にすると考えられます。

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