政治機能 その4

機能をシステムに積極的貢献を果たす機能とシステムの適応・調整を妨害する機能(=逆機能)とに分類することによってシステムの諸部分がおこす結果の多様性・多重性を論じることが可能になります。

とりわけ、逆機能概念の導入は政治システムの諸構造が孕むヒズミ、緊張、圧力を分析する上で重要な武器となります(とくに文化相対主義論者にとっては)。

さらに、逆機能概念の導入は機能論の陥り易い静態的分析への傾向を克服し、政治のダイナミズムを政治変動源、構造変動の視角から論議の対象とする道をも開拓します。

システムの内部には、当該システムにとってプラス機能的結果を持つ要素とマイナス機能的結果を持つ要素に加えて、没機能的結果を持つ要素もあるかもしれません。

例えばデモクラシーにおける投票率について考えてみましょう。

高率の政治参加(例えば85%~95%)は、当該システムにとって順機能であると簡単に評価できるのでしょうか。

高投票率を単純にシステムの健全な作動と結び付けて考える研究者(極端な型では選挙管理委員会型参加のデモクラシー論者にもなる)もいれば、高投票率をシステムの危機の前兆と考える研究者もいます。

後者に属する人にとって、高投票率は逆機能。

さらに、投票率の高低はシステムにとって何ら機能的結果を持たないという立場をとる研究者もいます。

JackL.Walkerの指摘をまつまでもなく、高投票率がシステムに及ぼす結果については政治研究者聞に大きな意見不一致が見られるのです。

おそらく、高投票率はシステムのいくつかの点を強化する一方で、必らず逆機能をも演じていると考えた方が正しいでしょう。

かくて、R.Mertonの「総結果の正味の差引勘定を評量せよ」という警告に耳をかすことが肝要となるのです。

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